垂下型のカーテンと常時浮上したフロート部を持つ型式の汚濁防止膜であり、最も多く使用されているタイプです。
係留部は、アンカーロープとアンカーで構成され、緩衝ブイが用いられることが多く、アンカーはコンクリートブロック、テンション部は高強度ポリエステルベルトが使用されることが多いようです。
汚濁防止膜間の接続やカーテン間の接続には取付金具が用いられ、これらの取付金具はベルト部にボルトで固定されるのが一般的です。
タイプ | 設置場所の条件 | 標準仕様 | |||
フロート径 (mm) |
フロート形式 | カーテン生地 | ウェイト チェーン 質量 (kg/m) |
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番手 (引張強度 N/3cm) |
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A | 有義波高:1.5m以下、流速:0.5m/s以下 (自然の地形で遮断された防波堤外の海域) |
φ600 (浮力2352N/m 以上) |
連続 | #800 (7846N/3cm) |
10〜20 |
#500 (4904N/3cm) |
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B | 有義波高:1.0m以下、流速:0.2m/s以下 (防波堤内の広い海域、あるいは自然の地形で遮蔽された湾奥の海域) |
φ400 (浮力980N/m 以上) |
連続 | #800 (7846N/3cm) |
5〜10 |
#500 (4904N/3cm) |
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#300 (2942N/3cm) |
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C | 有義波高:0.8m以下、流速:0.1m/s以下 (防波堤内の中程度の広がりを持つ海域) |
φ300 (浮力588N/m 以上) |
連続 | #800 (7846N/3cm) |
5〜10 |
#500 (4904N/3cm) |
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#300 (2942N/3cm) |
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D | 有義波高:0.5m以下、流速:0.05m/s以下 (湖沼、あるいは湖沼と同等に静寂な十分に遮蔽された湾奥の海域) |
φ300 (浮力294N/m 以上) |
単独 | #500 (4904N/3cm) |
3〜5 |
#300 (2942N/3cm) |
設置場所の条件 | 標準仕様 | |||
フロート径 (mm) |
フロート形式 | 再利用 カーテン生地 番手 (引張強度 N/3cm) |
ウェイト チェーン 質量 (kg/m) |
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有義波高:1.0m以下、流速:0.2m/s以下 (防波堤内の広い海域、あるいは自然の地形で遮蔽された湾奥の海域) |
φ400 (浮力980N/m 以上) |
連続 | #500 (2000以上 3000未満) #300 (1200以上 1800未満) ※上記数値は目安であり、構造計算に基づく必要強度を確認の上、使用するものとする |
5〜10 |
有義波高:0.8m以下、流速:0.1m/s以下 (防波堤内の中程度の広がりを持つ海域) |
φ300 (浮力588N/m 以上) |
連続 | 5〜10 | |
有義波高:0.5m以下、流速:0.05m/s以下 (湖沼、あるいは湖沼と同等に静寂な十分に遮蔽された湾奥の海域) |
φ300 (浮力294N/m 以上) |
単独 | 3〜5 |
備考) #300(初期引張強度 2942 N/3cm) #500(初期引張強度 4904 N/3cm)
浮沈式垂下型は、垂下型のカーテンと浮上や沈下が可能なフロート部を持つ型式の汚濁防止膜です。
係留部はアンカーロープとアンカーで構成され、緩衝ブイが用いられることが多く、係留部のアンカーとしては、コンクリートブロックが用いられることが多いようです。
フロート部は、合成ゴム製でフロート内の空気を出し入れすることにより浮上、沈下させることができ、工事区域の工事船舶の出入口確保や台風等の荒天時の緊急待避ができます。
浮上時の断面構造は固定式垂下型と同じです。
浮沈式汚濁防止膜間の接続には、給排気配管と共に取付金具が用いられます。
掘削、浚渫、直投工事等において、主に水底面付近で発生する汚濁の拡散防止を目的として開発されたのが固定式自立型汚濁防止膜です。
水底面に設置されたアンカーとカーテン部、及びそれを自立させるためのフロート部から構成されます。アンカーとしてはH形鋼が多用されます。
一般的に自立型汚濁防止膜は、水深が深い(概ね15m以上)場合に用いられ、垂下型汚濁防止膜と併用して設置されることが多いようです。なお、その際には垂下型汚濁防止膜との干渉がないよう十分考慮することが重要となります。
汚濁防止膜間の接続やカーテン間の接続には取付金具が用いられ、これらの取付金具はベルト部にボルトで固定されるのが一般的です。
枠型は、フロート部の下部にカーテン部を垂下させた型式の汚濁防止膜です。グラブ浚渫船等による浚渫作業において、浚渫箇所の部分的な汚濁防止を行う場合に用いられます。
フロート部は、鋼管をボルト等で接合し枠状にしたものが用いられることが多く、鋼管上に巻上ウインチを設置することにより、作業時の水深に応じてカーテン丈を調節する機能を付加させることもできます。ウエイトにはチェーンや鋼管が使用されます。
潮流の影響が大きい場所では、カーテンのふかれを考慮して縦方向にウエイトチェーンを取付けしたり、固定枠を取付けする場合があります。